恋は人をこうも狂わせるか、と実感した。
あらすじ:何の気なしに参加した愛知公演で長谷部沼に落ちた
もとよりチケットは取っていなかったし、仕事のスケジュール的にも参加は厳しいという理由から、大千秋楽を観劇する予定は全くなかった。
観劇後はX(旧Twitter)に流れてくる連日のレポを見ながら、自分に向けられたファンサや、長谷部の歌声に思いを馳せていた。
しかしふと、「なんで祭りやってんのに私は仕事してんだ?」と一瞬思ってしまった。長谷部の美しいオフショを眺めながら、「こんなに美しい人が歌って踊ってる間仕事してる意味、分からなすぎる……」ともはや生きる意味を失いかけ、最終的には「この千秋楽観れなかったら一生後悔するかも……」という考えに至った。
祭りの終わりを見届けるまで死ねない、そういう思いで公式トレードサービスからチケットを、奇跡的に指定席で入手し、開場時間ギリギリの新幹線で新横浜駅へ向かったわけある。
前回参戦した愛知公演から、私の中で長谷部という刀に向けられる感情は大いに拗れた。
愛知観劇後のファミレス談義で既に「え歌上手くない?」「ビジュやばないか?」とそこそこな落ち様だったが、俳優さんのオフショを漁ったり、ミュのFCで配布される待ち受け画像を長谷部のものに設定して、会社ではそれを眺めながらおにぎりを食べたり、散歩中の音楽が全部花影関連の曲に変わったりした。
ゲームの方でも少なくとも1年くらいは日向くんor薬研で固定していた近侍を長谷部にバトンタッチしてもらい、極にし、大阪城以降むちゃくちゃにレベリングしている。
今も、PCの横には友人がランダムで当ててくれた長谷部の缶バッジを置いて、ふとした瞬間に見つけてはニヤニヤしている。
とにかく四六時中、へし切長谷部という刀のことを考えている。
社会人になってから、オタクとしての自分は死んでいくのかなと思っていた。
学生時代はもうとにかくずうっと何かしらにハマっている状態だった。
特にハマっていたジャンルでは二次創作をしていたのだが、今では過去作品の再掲ばかりでSNSの更新も遅く、筆を折ったも同然。そのコンテンツに関連した配信・派生作品・グッズに全く魅力を感じなくなってしまった。
とにかく課題も研究もないがしろにして単位を落としかけるくらいには没頭するのが常で、それを生きがいとしていたのに、社会人になってからは、家に帰ったらなんとな~く芸人の方のYoutubeを見てへらへらひとりで笑って、最低限の家事だけ済ませ、日付が変わる前にはなんとか寝る、といった感じ。にわか以上、オタク未満という階層でうろうろしながら、もう新たに力を注げるようなコンテンツはなくなるんだろうな、こうしてオタク人生は終わっていくのだろうなとどこか諦めた気持ちになっていた。
だからこんなにずうっと推しのことを考えている感覚自体がかなり久々。世界に色がついたような心地というか、なんというか………………生きるの、楽しいなと思った。
単純作業を繰り返すグレースケールの世界に、じわじわと水彩絵の具の色水が広がっていくような感覚。
新しいコンテンツにハマったことは幾度となくあるが、ハマりたてってやっぱり何してても楽しい。過去作品観たり、そのレポを読んだり。俳優さんのFCに入ってエピソードトークを摂取したり、SNS遡ったり。とにかく目に触れるもの全てが新しくて何もかも楽しい。人生良いな。
ただ、冒頭のフレーズにある通り、今回私は長谷部に対して「恋した」という感覚を持っている。そこが従来の落ち方とちょっと違う。
沼に落ちた、とか、推しになった、とかよりも、なぜか恋という単語の方が今の私の心境としてはしっくりきている。
この感覚に対して明確な解はおそらくない。多分、
・予想外のところから性癖どストライクに刺された「一目ぼれ」感
・会場で実際に見た、という実体験(2次元データ相手だと非現実的になりがちだが、実在する生々しさを享受できた)
・オタク特有の「今回はいつもと違う」という勘違い
がいい感じにブレンドされているのだとは思うが。
前置き長いが、「拗らせた状態で改めて観劇してきたぞ~!」という話である。
全てがカッコよかった
愛知公演は「勝利の凱歌」「Can you guess what?」「かざぐるま」(全て三百年楽曲)くらいしか分からない状態で、とりあえず友人のティーチングとノリでごまかしたが、観劇後浴びるように刀ミュ楽曲を摂取したおかげで横浜ではかなり「ここYoutube Musicで聴いたとこだ!」をやることができた。
花影メンバーでの「IGNITION」とか特に。何も知らない状態だと長谷部……歌うますぎるな……の感情しかなかったが、原作メンバーがそろっている状態だと認識できるとまた違った旨味がある。今回も相変わらず長谷部は歌が上手かった。ロングトーン本当に安定している。頼むからMV出してくれ~……
それから、長義の「鼓膜の奥」を生で聴けたのは一生の思い出かもしれない。
あの声色、本当に癖になる。端っこの蕩けたミルクチョコレートの中にちょっとレモンの酸味が入っているみたいな……これ絶対伝わらないけど。甘さと怜悧さが黄金比で入ってる感じ。たまらん。
長義に関してはモニターに映るたびに歓声上がってたのが一番面白かった。顔面がファンサ。
(会場にいる人は画面越しでしか普段見ない人たちが客降りであり得ない回数、あり得ない距離に来てくれることで混乱状態なので、「ウワ!顔良!」と思ったものに本能的に反応してしまう状態になっていた気がする)
長谷部の「REASON」も良かった。あれは大俱利伽羅のソロ曲だけど、見事に長谷部らしさを落とし込んだパフォーマンスになっていた。最高。
というかソロがあるのって本当にすごいな。キャラクターやその立ち位置自体の魅力、人気もさることながら、俳優さん本人の歌唱力やパフォーマンスも兼ね備えてないと手にすることができない………のでは? 長谷部を演じてくれてありがとうございます。
あと長谷部さん、ファンサに来ましたね。
「勝ちにいくぜベイベー」の時だったと思う。私の座っていた列の端の手すり(?)に凭れて、ウンウンと満足気でした。端の方に恐らく長谷部担の方がいた、………………のかな。顔良すぎて混乱してたので分からない。私とも一瞬視線が合ったのでほんと ほんと あの、あの、えっと………………
ありがとうございます。
そういえば、長谷部がLevel5に来ていることに私は気づいていなかったのだが、隣にいた妙齢のお姉さまが「ほら!長谷部!長谷部きたよ!!!!」とめっちゃ肘でつんつんしてくれたので気づくことができた。私は「え、や、あ、あ、嘘、ヤバヤバ、カッコイ……!!」くらいしか声が出なくて、混乱のままファンサを迎え撃つことになったが、正直気づかないままの可能性もあり、その場合はファンサによる心不全であの世行きだったかもしれない。お姉さまには本当に感謝している。
初めてお会いする方だったのだが、開演前私が心を落ち着けようとゲームの長谷部を眺めていたのを見てくれていたのだと思う。休憩のときもおいしい龍角散をくれた。マジでありがとうございます。
というか、ファンサ………もろたで………と余韻に浸っていた次の瞬間には長谷部が舞台におり、キャストの機動もおばけなのかよ!とちょっと笑ってしまった。忙しない。
今回の座席がLevel5という結構高くて舞台からも離れた席だったのと、その中でもさらに後ろ側だったので、ファンサ自体全然期待してなかったのだが、結構いろいろな子が来てくれた気がする。覚えているのは明石と一期だが、もっと来てくれてたはず………………。「顔良い~~;;」と腰が抜けそうなのを必死で耐えていた。
カテコは大千秋楽ということで全員が言葉を発してくれた。
長義のコメント短すぎワロタ。あとその次、長谷部、自分の番だと思ってなくて一瞬「お、俺か?」という感じになってたのめっちゃ可愛かったな。
でもコメントは凛々しく、ひたむき。さすが国宝。
東京ドーム、本当におめでとう!!!!!!!!!
ホテルはもう取った。あとはチケットだけ。こういう時ばっかり行動が早い。
隣の席のお姉さまとも「また会いましょうね」と約束したので、絶対に当てなければならない。当てて、龍角散のお返しをさせてほしい。
来年の7月までは、少し色のついた人生が続きそうだ。